1 小学部段階での進路について

 特別支援学校に入学・転入したばかりの頃は,誰もが期待と不安でいっぱいのことと思います。親の手から離れ,家庭とは全く異なる学校・学級での生活がスタートします。お子様の障害に関することや行動特性等を担任に詳しくお伝えいただいたことと思います。毎日の生活・活動の様子や伝えきれないことは,連絡帳や送迎時の情報交換でお知らせいただいております。お子様のことを担任と共有することは大切なことです。このことが「個別の教育支援計画」策定の始まりであり,進路に関する第一歩でもあります。

 

 入学すると高等部まで進学することを当然と考え,「高等部卒業までは,まだまだ先だから。」などと卒業後のことを具体的に考えないことがあります。ほとんどの子どもたちが高等部に進学している状況の中にあっては無理もないことではあります。

 

 しかし,毎日の生活を大切にするとともに,お子様の長い将来の生活を考えていきたいものです。小学部卒業段階を大きな節目として,具体的な進路計画を立てることが大切です。

 

特別支援学校の進路モデル図
特別支援学校の進路モデル図

 例えば,「日常生活の指導」では,学校と家庭が連携して生活の基礎となる身辺処理や食事などにていねいに取り組み,一人でできることが少しずつ増えたり,主体的に取り組めるようになったり,時には適切な支援を上手に受け入れられるようになったらと思います。「生活単元学習」などでは,経験の幅を広げ多くのことに興味・関心をもって取り組んで欲しいと思います。

 

 特別支援学校では,毎年「個別の教育支援計画」及び「個別の指導計画」を策定・作成しています。一人一人の将来の姿を見据え,現在の状況を確認し,「課題」を明確にして担任と共通理解しています。この課題設定の際に,お子様の現在の状況をしっかり見つめることが大切です。「課題」は,できていないことばかりに目を向けるのではなく,得意なことを伸ばしたり,がんばって改善が見込まれることに着目したりすることも大切です。授業参観等の来校の際に,上の学年や他学部の活動等にも関心を持つことで将来像の参考になることがあります。

 

 特別支援学校の小学部を卒業する児童の多くは,そのまま中学部に進学します。本校においてもほとんどは中学部への進学です。しかし,意外に中学部の様子については知らないことが多いものです。学校見学会などの機会を利用して中学部の様子を知ることも大切です。

 

 また,転居等により他の特別支援学校への転校の場合や,お子様の教育的ニーズから地域の小・中学校へ転校・進学を希望するケースなどもあるかと思います。このような場合は,本校の就学指導委員会にて検討を重ね学校と家庭とで共通理解を図り,より良き進路を導き出して行きたいと考えます。進路についての悩みやお考えを家庭訪問や教育面談,授業参観などの機会をとらえ担任へお話していただければ幸いです。

 

 さらに,地域の生活支援相談窓口か市役所の市区町の保健福祉課等へ行き,「放課後等デイサービス」「短期入所(ショートステイ)」等のサービスを利用できるレスパイトサービス事業所や手続きの方法について知っておくことも重要です。

 

※レスパイトとは,障害のある人や家族のニーズに応え,必要な時に,必要なだけ,必要な援助をすることにより,介護から離れられずにいるご家族を一時的に一定の時間,障害児(者)の介護から解放する事によって日頃の心身の疲れを回復し,ほっと一息つけるようにする援助のことです。